リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS以下、リーバイス)が勢いに乗っている。3月21日に再上場した際には初値が公開価格を大幅に上回ったほか、4月9日に発表された2018年12月~19年2月期決算では、売上高が前年同期比6.7%増の14億3445万ドル(約1592億円)、調整後EBIT(利払い前・税引き前利益)は同14.4%増の2億600万ドル(約228億円)だった。

こうしたことを背景に、チップ・バーグ(Chip Bergh)最高経営責任者(CEO)は“追い付くべきライバル”として、18年度の売上高が363億9700万ドル(約4兆400億円)に上るナイキ(NIKE)の名前を挙げた。リーバイスが同55億7500万ドル(約6188億円)なので、売上規模はおよそ6.5倍だ。同氏は、「当社の最大の強みは『リーバイス』というブランドだ。ナイキは主力のランニングシューズ以外にも事業を拡大して成功したが、売り上げのほとんどはやはり『ナイキ』ブランドから生まれており、目標や比較対象としてふさわしいと思う」と述べた。

比較をするのであれば、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や「ティンバーランド(TIMBERLAND)」などのアウトドアブランドを擁するVFコープ(VF CORP)や、アパレルブランドのカルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」や「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」を傘下に持つPVHコープ(PVH CORP)の方が適切ではないかとも思われる。しかし、同氏は比較基準として株価収益率(PER)を挙げ、ナイキとの類似性を指摘した。「リーバイスは29.1倍でナイキは32.8倍だが、VFコープは20.6倍、PVHコープは13.1倍だ。当社の株価収益率はナイキと近く、価値もそれだけあるということだ」。

上場した直後に、バーグCEOは中国を訪問した。同社の売り上げ全体のおよそ55%を南北アメリカが占める一方で、中国は3%程度であるため、成長の余地が十分にあると見てのことだろう。なお、ナイキやアディダス(ADIDAS)は中国での売り上げが全体の20%近くを占めている。

同氏はまた、上場によって事業戦略がさらに強化されたと語り、「社外の投資家には、戦略をいっそう明確に示す必要がある。将来的な成長要因は何かについて、しっかりと提示しないとならない」と述べた。